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警備業務は再委託できる?手続きに必要な契約書や注意点も紹介

警備業務は再委託できる?手続きに必要な契約書や注意点も紹介

警備を含む業務の受注や、自社の警備員の不足などを理由に、警備業務の再委託に関して知りたい企業担当者様も多いのではないでしょうか。警備業務を再委託する際は、必要な契約書や注意点について詳しく把握しておくことが大切です。

今回は、警備業務の再委託の概要を紹介したうえで、再委託に必要な契約書や注意点などを解説します。ぜひ参考にしてください。

警備業務は再委託できる?

まずは、警備業務の再委託の概要や、再委託が必要な事例を紹介します。

警備業務の再委託は可能

警備業務は、ほかの警備会社へ再委託が可能です。ただし、あくまで警備業務の再委託であり、警備員の派遣ではない点に留意しましょう。再委託した場合、警備員に対する指揮命令の権限を持つのは、再委託先の警備会社です。

また、警備会社と再委託契約を締結する際は、「契約締結前」および「契約締結時」の2回にわたる書面交付が警備業法第19条により義務付けられています。「警備期間が短い」「直前の依頼で交付する時間がない」などを理由に書面交付を行なわないことは認められません。

交付する書類は「契約締結前交付書面」や「契約締結時交付書面」などといわれるほか、「重要事項説明書」と呼ぶ会社もあります。警備場所や日程などのほか、警備業務ごとに必要とされる項目を網羅したものを作成しましょう。

書面交付の目的は、契約内容を明確化して依頼者を守ることです。交付を証明するために、受領書や確認書を再委託先からもらっておくと安心です。

再委託が必要な事例

警備業務の再委託を行なう事例は、いくつかあります。

1つ目は、警備業務を受注した会社の警備員が不足しているケースです。受注した業務に必要な警備員の数が自社だけでは足りない場合、別の警備会社に再委託することでリソースを確保できます。

2つ目は、受注したイベント運営の業務に警備が含まれていて、自社が警備サービスを行なっていないケースです。警備業務を提供していない会社が、警備も含めたイベント運営を請け負う際には、専門の警備会社へ再委託が必要です。

警備業務の再委託に必要な契約書とは

警備業務の再委託に関する契約を結ぶ際は、一般的に「警備業務委託契約書・警備契約書」を作成します。この契約書の作成については警備業法で規定されていませんが、損害発生時の責任・負担を抑えたり、契約内容を証明したりする際に役立つため、なるべく作成したほうがよいでしょう。

契約の種類には「請負契約」と「準委任契約」があり、それぞれ契約内容に違いがあります。

例えば業務に要する費用について、請負契約では受託者が、準委任契約では委託者が負担します。また、請負契約では受託者による再委託が可能ですが、準委任契約では原則として再委託ができません。

警備業務を再委託する前に知っておきたい注意点

警備業務を再委託する前に知っておきたい注意点

続いて、警備業務を再委託する前に知っておくべき注意点を見ていきましょう。

警備業務の受注前に警備業認定が必須

自社で警備業務を受注する前に、都道府県公安委員会による警備業認定を必ず受けておかなければなりません。申請の際、警備業法第3条で定められている欠格事由に当てはまらないことを確認しておきましょう。

警備業法第3条では、以下のような要件に該当する者は、警備業を営んではならないと定められています。

  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  • アルコール、麻薬、大麻、あへんもしくは覚醒剤の中毒者

また、法人の場合は役員が欠格事由に該当すると、警備業の認定が受けられないため注意が必要です。

参照:e-Gov法令検索「警備業法」

警備業認定を受ける流れ

警備業認定を受ける際は、おもな営業所の所在地を管轄する警察署経由で都道府県公安委員会に申請します。

法人の場合は、登記事項証明書や定款、欠格事由に該当しない旨の誓約書など、各種必要書類をそろえて申請しなければなりません。認定申請手数料は2万3,000円で、申請から認定までに40日ほど要します。

警備業認定を受けると、都道府県公安委員会から通知が届きます。従来までは「認定証」が交付されていましたが、令和6年4月1日に廃止され、「標識」に変更となりました。

標識は営業所の見やすい場所に掲示するほか、一部例外を除いてWebサイトにも掲載が必要です。標識の作成例として、以下を参考にしてください。

作成例

出典:神奈川県警察「警備業法等の一部改正について」

再委託先にも警備業認定が必須

警備業務を再委託する場合は、自社だけでなく、再委託先の警備会社も警備業認定を受けている必要があります。そのため、契約を交わす前には、都道府県公安委員会から認定を受けていることを示す認定証や標識(認定番号や有効期間など)を確認しましょう。

なお、間に入るすべての会社が警備業認定を受けていれば、再委託に一次、二次などの制限はありません。ただし、指揮系統や責任の所在などが曖昧になるなど、トラブルに発展しやすい点に注意が必要です。

中小受託取引適正化法(旧下請法)違反に気を付ける

警備会社へ再委託する際には、中小受託取引適正化法(旧下請法)違反に問われないように注意しましょう。一般的に、以下のようなケースに該当すると違反に問われるおそれがあります。

区分違反のおそれがあるケース
書面の未交付元請け事業者が再委託先の事業者へ口頭で発注して、注文書を交付しない
支払いの遅れ再委託先となる事業者の完了報告書の未着や不備を理由に、警備業務の提供完了日から60日以内に代金を支払わない
代金の減額再委託先の事業者へ支払う単価を、元請け事業者が契約改定によって引き下げ、さかのぼって適用した

中小受託取引適正化法に違反する行為であると認められてしまうと、元請け事業者には50万円以下の罰金が科されます。

警備会社により対応業務が異なる

警備会社によって、対応できる業務や得意な業務が異なることも、注意しておきたいポイントです。警備業務の種類は、警備業法により以下4つに分けられます。

区分内容
1号警備事務所・住宅・興行場・駐車場・遊園地等における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務
2号警備人や車両の雑踏する場所もしくはこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務
3号警備運搬中の現金・貴金属・美術品等に関する盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務
4号警備人の身体に対する危害の発生をその身辺で警戒し、防止する業務

参照:e-Gov法令検索「警備業法」

身近な場所の警備として例を挙げると、オフィスビルやマンション、商業施設の警備は1号警備、局地的に人が集まるイベント会場などの警備は2号警備に該当します。

再委託を検討する際は、警備先の施設の特徴や警備内容も踏まえたうえで、適切なサービスを提供してくれる警備会社を探しましょう。

※SPD株式会社では、建築・土木工事等に関連する交通誘導、および貴重品・危険物運搬警備、身辺警備は取り扱っておりません。

なお、信頼できる警備会社の選び方について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

2026年版|信頼できる警備会社の選び方とおすすめの会社を解説

警備業務の再委託先をお探しならSPD株式会社へ

SPD株式会社は、1971年に設立した警備会社です。これまでに、サッカーワールドカップやラグビーワールドカップなどの大規模イベントなど、各種イベントの警備を実施してきました。このほかには、オフィスビルや商業施設における常駐警備のサービスも展開しています。

例えば、警備先で大規模イベントを開催する場合、当社では警備計画の立案から携わり、スムーズな動線による車両誘導・雑踏整理を行ない、イベントの成功に貢献します。

また常駐警備では、巡回業務から出入管理・受付業務、防災センターでの監視業務など幅広いサービスを提供しているため、警備内容のご要望に対して柔軟に対応可能です。

当社では、お客様の運営施設や開催イベントの安心安全な環境の構築に向けて、十分な教育・研修を経た質の高い警備員が業務にあたります。警備業としての側面だけでなく、サービス業としてのコミュニケーション能力も重視しているため、さまざまな警備先へ柔軟に対応することが可能です。

警備業務の再委託先をお探しの企業担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ

自社で警備業務を提供していない場合や自社の警備員が不足している場合は、警備会社へ再委託が可能です。警備業務を再委託する際は、一般的に「警備業務委託契約書・警備契約書」の作成が必要です。委託先の警備会社が対応している業務内容なども、事前に把握しておくとよいでしょう。

SPD株式会社では、常駐警備とイベント・雑踏警備のサービスを提供しており、業界歴50年以上の実績を活かした質の高い警備体制で、お客様の事業をサポートいたします。

警備業の再委託を検討している企業担当者様は、ぜひSPD株式会社までお問い合わせください。

警備・防犯・セキュリティのSPD株式会社

警備業務の再委託に関するよくある質問

ここでは、警備業務の再委託に関して、よくある質問と回答を紹介します。

Q.再委託のための警備業務委託契約書に記載する内容は?

警備業務委託契約書に含めるべきおもな項目は、以下のとおりです。

  • 契約目的
  • 業務内容
  • 契約期間
  • 報酬
  • 支払い方法
  • 責任の範囲
  • 秘密保持の義務
  • 個人情報の取り扱い
  • 契約解除の条件  など

また、警備業務の再委託先が、さらに別の警備会社に業務を再委託することに関しての可否・条件も記載しましょう。

Q.警備業務を再委託したあとの責任の所在は?

元請けの警備会社の責任は、原則として問われないと考えられます。なぜなら、警備業務を再委託したあとは、下請けである再委託先の警備会社が指揮命令の権限を持つためです。

ただし、下請け会社に問題があることを知りながら再委託した場合は、元請け会社の責任が問われる可能性があるでしょう。

Q.警備業務の再委託は何次請けまで可能?

警備業務を再委託する場合、関与する会社が警備業認定を受けており、かつ契約で再委託を禁止していなければ、法律上「何次請けまで」といった明確な制限はありません。つまり、警備業務の元請け(一次請け)から下請け(二次請け)、さらに三次請けへという多重構造になるケースもあり得ます。

ただし、再委託が重なるほど指揮命令系統や報告経路などが複雑になり、事故やクレーム発生時などの責任の所在が不明確になりやすい点には注意が必要です。リスク管理の観点からすると、再委託を繰り返す運用は現実的ではありません。

Q.警備業務の再委託で起こりがちな失敗例は?

警備業務の再委託では、次のようなトラブルが起こる可能性があります。

  • 警備業認定を受けていない会社や人材派遣会社に誤って再委託してしまう
  • 警備業務の発注者の了承を得る前に再委託をしてしまう
  • 安値で再委託することで、質の悪い警備員が配置されてしまう
  • 責任の所在が不透明で、トラブル発生時の対応が遅れてしまう

再委託の失敗を避けるためにも、本記事の内容を参考にしながら慎重に手続きを進めましょう。