常駐警備とは?業務内容と警備会社へ業務を委託するポイント…

大きなスポーツの祭典や花火大会、コンサートなどのイベントごとで人が多く集まる場所には「雑踏警備業務」に携わる警備員の姿があります。たくさんの人が集まることで起こり得る事故の発生を予防し、円滑にイベントを実施するためになくてはならない仕事です。
本記事では、警備員として働きたい方や、雑踏警備を依頼したい企業の担当者の方に向けて、「雑踏警備2級」の資格について解説します。
目次
雑踏警備2級とは、どのような資格なのでしょうか。取得するメリットも併せて紹介します。
動画でご紹介!イベント会場等の警備員に必須の雑踏警備2級とは?企業様向け情報も紹介
※記事の要点を凝縮して4-5分程度でご覧頂けます
雑踏警備2級とは、警備業法に定められた6種類の国家資格の一つです。正式名称は「雑踏警備業務検定(1級・2級)」といいます。これらの資格にはそれぞれ1級、2級があり、2級を取得するのに特に条件はありません。ただし1級を受験するには、2級を取得してから1年以上の業務経験が必要となります。
「雑踏警備業務検定」は、2005年11月21日の警備業法改正で施行された「警備業法の一部を改正する法律」および、2005年11月18日に公布された国家公安委員会規則第二十号「警備員等の検定に関する規則」によって新設された資格です。
雑踏警備とは、多数の人が集まる場所での事故の発生を警戒し、安全なイベントの開催を支える業務です。そのための必要な知識を学び、技能を身に付けたと証明できる資格が「雑踏警備2級」です。
大きなスポーツの祭典やコンサート、花火大会や初詣など、人が多く集まり雑踏警備員が必要とされる場所は多々あります。
警備業法では、雑踏警備業務を行なう場所ごとに、雑踏警備1級または2級の有資格者を1人以上配置しなければならないと定められています。そのため、雑踏警備2級の資格を取得しておけば、引き受けられる業務の幅が広がるのは確かでしょう。
警備会社によっては資格手当を出しているところも多いので、給与アップも期待できます。管理職を目指すなどキャリアアップを目指している方にもおすすめの資格です。
また、定年後に警備員として転職する場合にも資格を取得しておくと有利に働く可能性があります。

ここでは、雑踏警備2級の試験で問われる知識やスキルなどを紹介します。
学科試験のおもな内容は、以下のとおりです。
不特定多数の人が集まる場所では、事故の発生が懸念されます。そのため、警備業務や雑踏警備業務などの基本知識のほか、事故発生時の対応に関する知識も問われます。
参考:警視庁「雑踏警備業務検定(1級・2級)の学科試験及び実技試験の出題範囲及び配点基準」
実技試験では、以下の技能があるかを評価されます。
資機材を使用して群衆を整列させたり、動きを規制したりといった動作を正確かつわかりやすく行なうスキルが求められます。また、警察本部への連絡や負傷者の搬送など、救護対応も押さえておく必要があります。
参考:警視庁「雑踏警備業務検定(1級・2級)の学科試験及び実技試験の出題範囲及び配点基準」

雑踏警備2級の取得には、「検定試験の受験」か「特別講習の受講」が必要です。ここからは、雑踏警備2級の取得に必要な方法について紹介します。
公安委員会が直接行なう検定試験(直接検定)を受験し、学科試験および実技試験に合格する方法です。
直接検定は、各都道府県警察へ申し込み、指定された日時に試験会場にて学科試験、実技試験の順に受験します。これらの試験は、各都道府県によって、1日もしくは2日に分けて実施されます。
学科試験に合格しなければ、実技試験を受けることはできません。実技試験は1科目ごとに試験があり、1科目終了ごとに合否判定がなされ、不合格となった場合はそこで終了。合格者のみが次の実技科目を受けられるという仕組みです。
実技試験の全科目に合格すると「成績証明書」が交付されます。
なお、受験にかかる手数料は1万3,000円です。
各都道府県の警備業務協会が行なう特別講習を受講する方法です。
警備員向けの特別講習は、所属する警備会社を通してしか申し込みができません。また、特別講習の日程は開催者ごとに異なります。
個人での受講を希望する場合は、警備員特別講習事業センターが開催する「これから警備員になろうとする者の講習」への申し込みが必要です。
講座を受講した場合の合格率は60~80%なので、しっかりと講座に集中して臨めば取得できるでしょう。
ただし、受講料が現行警備員の場合は3万3,000円(税込)、未経験者の場合は7万9,200円(税込)と、直接検定にかかる手数料と比較して高いのが特徴です。
参考:一般社団法人警備員特別講習事業センター「2級(「警備員になろうとする者の講習」一般対象)」
ここでは、2025年の雑踏警備2級の試験日を紹介します。
主要な都府県における2025年の直接検定の日程は、以下のとおりです。
| 都府県名 | 学科試験 | 実技試験 |
| 東京 | 5月24日(土) | 7月5日(土) |
| 埼玉 | 未定 | 未定 |
| 神奈川 | 10月22日(水) | 11月6日(木) |
| 千葉 | 10月15日(水) | 11月29日(土) |
| 群馬 | 9月10日(水) | 12月4日(木) |
| 新潟 | 未定 | 未定 |
| 大阪 | 12月13日(土) | |
| 愛知 | 12月5日(金) | |
| 福岡 | 6月4日(水) | |
※2025年6月7日時点公表分
参考:警視庁「警備員検定合格証明書の取得方法公安委員会が実施する直接検定公安委員会が実施する直接検定の実施予定表(令和7年度)」
参考:大阪府警察「令和7年度 警備業関係講習・検定実施予定」
参考:愛知県警察「警備員指導教育責任者資格者証取得講習及び直接検定の実施予定等」
主要な都府県における2025年の特別講習の日程は、以下のとおりです。
【現行警備員対象】
| 東京 | 1月30日(木)~31日(金) 4月10日(木)~11日(金) 7月10日(木)~11日(金) 10月23日(木)~24日(金) 12月11日(木)~12日(金) |
| 埼玉 | 5月24日(土)~25日(日) |
| 神奈川 | 1月18日(土)~19日(日) 9月20日(土)~21日(日) |
| 千葉 | 9月20日(土)~21日(日) |
| 栃木 | 6月28日(土)~29日(日) |
| 茨城 | 5月10日(土)~11日(日) |
| 長野 | 5月24日(土)~25日(日) |
| 新潟 | 10月30日(木)~31日(金) |
| 大阪 | 1月14日(土)~15日(日) 7月26日(土)~27日(日) |
| 愛知 | 5月14日(水)~15日(木) 7月9日(水)~10日(木) 9月17日(水)~18日(木) |
| 福岡 | 4月19日(土)~20日(日) |
※2025年6月7日時点公表分
参考:一般社団法人警備員特別講習事業センター「雑踏警備業務」
参考:一般社団法人長野県警備業協会「令和7年度 特別講習実施計画」
参考:一般社団法人愛知県警備業協会「令和7年度特別講習実施予定表」
【未経験者対象】
未経験者を対象とする雑踏警備2級の2025年の特別講習は、2025年6月7日時点で実施予定がありません。
参考:一般社団法人警備員特別講習事業センター「2級(「警備員になろうとする者の講習」一般対象)」
イベントの規模や内容によっては、雑踏事故防止などの観点から、警察や自治体の許可を取るために「警備計画書」の提出を求められることがあります。警備計画書の作成にあたっては専門的な知識が必要になるため、警備会社へ依頼することが一般的です。なかには、警備計画書を作成したうえで、雑踏警備2級などの有資格者の配置が必要になるケースも考えられます。
参考までに、雑踏警備における有資格者の配置基準は以下のとおりです。
参考:e-GOV法令検索「警備員等の検定等に関する規則 四 雑踏警備業務」
参考:福岡県警察「雑踏警備業務における検定合格警備員の配置について」
イベントを開催する際は、警備会社に警備計画書の作成や警備員の配置を依頼し、安全性を確保しましょう。
警備計画書について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
警備計画書とは?おもな記載内容や警備を依頼するうえで知っておきたいポイント
また、以下の記事では、雑踏警備を含めた「2号警備」について解説しています。
2号警備とは?交通誘導・雑踏警備の業務内容や依頼時のポイントを紹介

SPD株式会社は、「安心安全な毎日を提供することで、楽しく夢のある社会づくりに貢献する」ことを使命とする警備会社です。2020年に創立50年を迎えました。
ここでは、雑踏警備員として働きたい方や、雑踏警備を依頼したい企業の方へ向けて、SPD株式会社を紹介します。
SPD株式会社では、サッカーやラグビーワールドカップ、オリンピックなど、国際的なイベントにかかわる雑踏警備業務や交通誘導警備業務を行なっています。
一律の年齢制限はなく、無資格・未経験でも適性に応じた業務を紹介しています。教育体制も万全で、入社後に資格取得を目指すこともできます。
また、正社員、契約社員、パート・アルバイトと、雇用形態もさまざまです。多くの人の安全を守る警備員として、SPD株式会社の仲間と一緒に働いてみませんか。
SPD株式会社では、50年以上の経験で培ったノウハウに基づいて、お客様のニーズを調査・分析したうえで、最適な警備プランをご提案しています。
また、イベント開催に欠かせない雑踏警備業務1級・2級の有資格者を配置することも可能です。
「イベントを開催する予定があるけれど、まだ詳細が決まっていない」という段階でも、まずはお気軽にご相談ください。
人が多く集まる場所には、さまざまな危険が潜んでいます。多くの人にイベントを安全に楽しんでもらうためにも、雑踏警備は必須です。
雑踏警備員として働きたい方や、雑踏警備を依頼したいと考えている企業担当者の方は、ぜひ一度SPD株式会社にご連絡ください。
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