学校警備員に依頼できる仕事内容は?依頼時のポイントや防犯…
警備員というと、建設現場や商業施設などで働いているというイメージを持つ方も多いかもしれません。
ですが実は学校も警備の対象となっており、近年需要が増しています。
学校警備を依頼する際に、どのような警備を任せられるのかを知りたい方も多いと思います。
今回は、学校警備を依頼する必要性があるのかという疑問にお答えしたうえで、学校警備員の仕事内容や依頼する際のポイントをご紹介します。
目次
警視庁の資料によると、2023年における学校や子どもに関連する犯罪として、以下のようなものがあります。
参考:警視庁「令和5年の刑法犯に関する統計資料」
学校や子どもに関連したこのような犯罪を防止するため、学校警備を依頼する必要性は高いといえるでしょう。
また、文部科学省の資料によると、2018年の道路上における子どもが被害者となる身体犯被害は、認知件数が1万5,718件におよんでいます。
この数値は2014年の2万1,244件に比べると減少しているものの、学校周辺の通学路の危険性を示唆しています。学校などの施設だけでなく通学路での警備活動も実施する必要があるでしょう。
参考:文部科学省「地域における通学路の安全確保の方法等についての調査研究報告書」
次に実際に警備を実施している施設がどのくらいあるのかを解説します。
文部科学省の資料によると、学校敷地内や校舎内への不審者が侵入することを防ぐため、警備対策をしている割合は以下のとおりです。
項目 | 防犯カメラ | 玄関のインターフォン | 警備員の配置 | 警備会社との連携システム |
幼稚園 | 69.2% | 76.3% | 7.0% | 53.8% |
幼保連携型 認定こども園 | 82.4% | 88.2% | 4.3% | 67.3% |
小学校 | 61.6% | 64.1% | 7.9% | 70.2% |
中学校 | 70.2% | 56.5% | 7.7% | 71.3% |
義務教育学校 | 71.7% | 74.8% | 8.2% | 73.0% |
高等学校 | 56.7% | 28.2% | 18.9% | 74.7% |
中等教育学校 | 68.6% | 45.1% | 21.6% | 74.5% |
特別支援学校 | 64.0% | 56.0% | 10.4% | 66.1% |
合計 | 64.3% | 62.6% | 8.6% | 67.9% |
上記の調査結果より、警備会社との連携システムを活用して、警備強化を図っている学校が多いことがわかります。
また、高等学校や中等教育学校(中高一貫教育を行なう学校)では、約2割の学校が警備員を配置しています。
参考:文部科学省「学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査(令和3年度実績)」
学校に警備が必要であることは前述したとおりです。ではどのような具体的にはどのような内容の警備を依頼できるのでしょうか。
一口に警備業務といっても、施設警備を中心とした「1号業務」や、交通誘導・雑踏警備を行なう「2号業務」など、警備は大きく4つの区分に分かれています。
それぞれの業務内容は以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
関連記事:「【企業担当者向け】警備業務の種類を知ったうえで依頼しよう」
関連記事:「施設警備とは?ビルや商業施設などでの仕事内容や年収、将来性をまとめて解説」
学校警備は、この区分のうち「1号業務」に該当します。
以下では、学校警備員に依頼できるおもな仕事内容を紹介します。
学校の正門前などに警備員が立ち、不審者が侵入しないように警戒するのが監視業務です。
保護者を含めて多くの人が出入りする場合には、名簿への記名や許可証の着用を義務づけて、不審者の侵入を防ぎます。
朝や帰りの人が多い時間帯だけではなく、学校によっては24時間体制で警備員が出入りを監視しているというケースもあります。
学校の敷地内、および周辺を見回り、不審者がいないか、不審物がないかを警戒するのが見回り業務です。
警備員が巡回することによって、犯罪抑制の効果が見込まれるほか、万一不審者などを見つけた際は通報といった対策が取れます。
前述のとおり、学校荒らしといった犯罪もあるため、夜間にも巡回を行なうことがあります。
なお、巡回業務は定期的に行なうケースと、不定期に行なうケースがあります。いつ警備員が巡回するかわからないと思わせることで、犯罪などの計画を立てづらくさせることができるでしょう。
正門、あるいは通学路に警備員を配置し、生徒の安全を見守るのが見守り業務です。
文部科学省の資料によると、道路上における子どもが被害者となる身体犯被害が最も多い時間帯は下校時の「16:00~16:59」のあいだです。
一方で、朝の時間帯としては「7:00~7:59」に被害に遭うケースも多い傾向があります。
登下校時の見守りを強化することで、犯罪に巻き込まれることを防ぐ効果が期待できます。
なお、生徒の登下校をサポートして、周辺住民の迷惑になることを防いだり、交通事故の発生率を下げたりする役割も同時に担えます。
参考:文部科学省「地域における通学路の安全確保の方策等についての調査研究報告書」
学校内での落とし物の対応は、施設管理者である学校側が行なうことが基本ですが、学校側の負担を減らすために、施設管理者が依頼して、警備員に落とし物の対応を任せるというケースも少なくありません。
ただし、3ヵ月以内に遺失者(落とし物をした人)が判明しないときに、物件を受け取る権利などを含む「取得物の権利」は、あくまでも施設管理者側にあることに注意しましょう。
学校警備を依頼したいと考えた際、どのような警備会社に任せれば安心なのでしょうか。
学校警備においては、もしも不審者が侵入したり、火災が発生したりした際に、警備員が迅速かつ的確に対応できることが重要です。
警備会社を選ぶ際には、質の高い警備員をそろえていることや、これまでの実績を確認しておきましょう。
また、学校側が警備を強化してほしい箇所の要望などに柔軟に対応してもらえるかということもポイントです。
そのほか、他社と比べたときに価格が適正であるかもチェックが必要です。
参考記事:「警備会社に警備を依頼する方法は?依頼までの流れやポイントを解説」
最後に、文部科学省の資料を参考に、学校における防犯対策の事例を2つ紹介します。
繁華街に接しており、小学校、保育所、子育て支援施設などの複合施設である、北海道の札幌市立S小学校の事例。
2名の警備員が常駐しており、施設内への入館管理や、防犯カメラの監視、巡回業務等にあたっています。
また、立地や周辺環境を踏まえて、敷地をネットフェンスで囲い、施設利用者の出入口を1つに限定するなど、設計段階から工夫を凝らしていることもポイントです。
メインエントランスは鋼板のすぐ横に配置されているため、なにかあった場合にも迅速な対応ができます。
参考:文部科学省「複合施設の共用出入口に警備員を配置して安全を確保」
大阪府の〇小学校の事例。
警備員が24時間体制で正門を監視。正門は生徒の登下校時のみ開門し、警備員が常に出入を監視しています。
保護者等には許可証(名札)の着用を義務づけ、来客対応は事務室にて実施し、不審者の侵入が防げます。
併せて、正門、東門などに防犯カメラを設置し、警備員室や職員室、事務室から、モニターによる監視業務も行なっています。
なお、校舎敷地周辺の塀に忍び返しを設置したり、門扉の改修工事なども行ないました。
参考:文部科学省「囲障の強化と警備員の対応により不審者侵入を防止」
警備員はさまざまな場所で人々の安心・安全を守る仕事をしていますが、学校もそのなかの1つです。
学校敷地内への不審者の侵入を防ぐだけでなく、巡回による犯罪の抑制、登下校時の見守りなども学校警備の業務に含まれます。
学校警備を依頼したいとお考えなら、質の良い警備員が所属しているか、警備実績が豊富か、柔軟な対応をしてもらえるかなどをチェックしてください。
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