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身辺警備とは?向いている人の特徴や働くうえでの注意点も解説

身辺警備とは?向いている人の特徴や働くうえでの注意点も解説人の身体や命を守る身辺警備には、大きな責任がともないます。その反面、責任を全うしたときの達成感は大きく、やりがいのある仕事だといえます。

最近は要人警護を話題とする報道も多く、身辺警備について知りたい方、仕事として行なってみたい方もいるでしょう。

この記事では身辺警備の概要や仕事内容について解説し、身辺警備員に向いている人の特徴や、役立つ知識、注意点を紹介します。

※SPD株式会社では、身辺警備は取り扱っておりません。

身辺警備とは「人の身体や命を守る業務」

身辺警備は、人の身体や命に対する危険を警戒し、危害の発生を防止する業務です。多くの場合、講演会・式典・コンサート、株主総会など各種イベントに際して主要人物の安全を守ることを目的としています。

警備と警護の違い

民間警備会社の業務を規制する法律として「警備業法」があります。警備業法において警備業務は4つに分類され、身辺警備は以下のように定義されています。

 

警備業法 第2条第1項第4号

「人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務」

(引用:警備業法|e-Gov法令検索

第4号で定義されていることから、身辺警備の別称は「4号業務」です。

なお、警備と似た言葉に警護があります。警護には「人・物などについて事故を防ぐため、警戒して守ること」(引用:デジタル大辞泉)という意味があります。これは「身辺警備」と読み替えることができるでしょう。

「警護」=「身辺警備(4号業務)」と捉えるなら、警備という大きな括りのなかの一つに警護(身辺警備)が含まれるといえるでしょう。

仕事内容

警備業法での定義にあるとおり、身辺警備にとって重要なのは危険を事前に回避(防止)することです。そのため、事前準備は身辺警備の大切な一部といえます。

身辺警備では、事前準備として以下のような業務を行ないます。

  • 危害を加えるおそれがある個人や団体を特定し、その動向を把握する
  • 警備対象者の滞在先の構造(通路・非常口・非常階段など)を把握する
  • 警察機関との連絡体制を確保する
  • イベント現場での不審者や不審物を排除する

警備対象者に同行して身辺を警備する際、特に警戒を強めるのは次のような場面です。

  • 自動車などの移動手段に同乗しているとき、またはその乗降時
  • 歩行時、または公の場に姿を現す場面
  • 自宅やホテルなどの滞在先に出入りするとき

事前の警戒にもかかわらず襲撃などの非常事態に直面した場合には、警備対象者を危険から離脱させ、脅威対象者を排除するなど、被害を最小限にとどめるよう対応します。

人為的に加えられる危害だけでなく、災害や交通事故などから警備対象者の身を守ることも身辺警備員の仕事です。

種類

事前の警戒を重視する観点から、業務の種類を以下のように明確に分ける警備会社もあります。この場合は各業務を別の警備員が担当し、チームとして警備を実施します。

先着警備

  • 警備対象者より先に目的地に到着
  • 不審者や不審物を発見、排除・駆除
  • 警備対象者の移動する導線や到着地点の安全確認を実施

同行警備

  • 先着警備と連携を取りつつ、警備対象者に同行
  • 移動中、不審車の追尾などを警戒

 

対象者

身辺警備の対象は多くの場合、大企業幹部や政治家などの要人や、芸能人・有名アスリート・アーティストといった著名人です。

要人・著名人は嫉妬や逆恨み、さらには世間の耳目を集めたいといった不条理な動機で命を狙われる可能性があります。24時間体制で、海外から来日した要人・著名人の身辺警備に当たるケースも珍しくありません。

また最近では、高齢者や子どもの見守りサービス、DV(ドメスティックバイオレンス)やストーカー被害を防ぐための付き添い警護など、一般人のニーズが多様化しており、それに応えて身辺警備の業務範囲が拡大しています。

警察が行なう身辺警護との違いは?

警察が行なう身辺警護との違いは? 

身辺警備は民間警備会社だけではなく、警察によっても行なわれます。警察の身辺警備は法令(警護要則)に基づいて実施され、「警護」と呼ばれています。

警察が実施する警護と警備会社の身辺警備では、守る対象が違います。

警察の警護対象は「内閣総理大臣、国賓その他その身辺に危害が及ぶことが国の公安に係ることとなるおそれがある者として警察庁長官(以下、「長官」という。)が定める者」とされています。

(引用:警護要則|e-Gov法令検索

有名な「SP」(セキュリティーポリス)は、警視庁警備部警護課の要人警護スペシャリスト集団です。警察庁と混同されがちですが、警視庁は東京都の警察本部です。つまりSPは東京の警察だけにある役職といえます。

各道府県警には、警視庁で研修を積んだ警察官が警護担当者として配属されており、警護対象者が東京都以外で活動する場合には、警視庁SPと連携して警護活動を行ないます。

また、当然ながら、民間警備会社は公権力を行使できません。

警察官は拳銃を携帯し、パトカーを緊急走行させる権限も持っていますが、民間警備員が持つ道具は護身用の警戒棒だけです。

参考:警護要則|e-Gov法令検索

身辺警備員に向いている人の特徴

すでにみたように、身辺警備は命にかかわる重要な業務であり、危険回避能力が求められます。どのような特徴を持つ人が向いているでしょうか。

責任感を持って業務を全うできる人

身辺警備員に向いているのは、しっかりと警備対象者を守り抜くという強い意志を持ち、最後まで職責を果たせる人です。

職務遂行中は、刻一刻と変化する状況を注視して危険のサインを見逃さないようにしなければなりません。わずかな気の緩みが警護対象者を危険にさらすおそれがあるため、高い集中力を維持して職務を全うする責任感が求められます。

襲撃を受ける場面も想定されるため、高い身体能力を持つ人、武道や護身術に長けた人は身辺警備員としての適性が高いといえます。

臨機応変な対応力がある人

危険を察知する能力に優れ、瞬時の判断で臨機応変に行動できる人は、身辺警備員に向いています。

身辺警備において同じ場面で同じ事象が起こることは、ほぼありません。そのため、業務経験をパターンとして学習するだけでなく、新しい事象に応用できるよう能力を高めていく必要があります。

また、アテンドサービスとしての側面もある身辺警備は、警備対象者の信頼を得ることが重要です。信頼を得るには、対象者とコミュニケーションを取りながら、より質の高いサービスを提供することも求められるでしょう。

身辺警備員になるには?知っておきたいポイント

身辺警備員になるには?知っておきたいポイント 

ここでは、身辺警備員になりたいという希望をかなえるために、準備できることや知っておきたいことを解説します。

 

未経験でも身辺警備員にはなれる

どのような仕事でも、最初は全員未経験です。経験者は即戦力として優先的に採用されるでしょうが、未経験者だからといってあきらめる必要はありません。

未経験者を育てる力がある大手の警備会社は、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)によって、新人を戦力化しています。

OJTでは、先輩や上司とともに業務をこなしながら指導を受け、実地でスキルを身につけることができます。努力次第では早い段階で戦力になれるでしょう。

資格取得で給与アップの可能性がある

警備会社によっては、特定の資格に対して手当てが支給される場合があります。

身辺警備員が持っておくべき資格の筆頭は普通自動車運転免許です。また、警備対象者が外国人の場合には語学力が求められるケースもあるため、TOEICなどの語学系資格は、持っていれば能力の提示に役立つでしょう。

武道や護身術の心得はあるに越したことはありません。柔剣道などの経験者は、採用時にも入社後の処遇面でも有利となるでしょう。案件によっては、武道経験が必須とされる場合もあります。

なお、身辺警備員としての公的資格には「警備員指導教育責任者(第4号警備業務)」がありますが、実務経験がなければ受験できません。

独自の採用基準を設けているケースがある

警備会社、または応募する案件によって、身辺警備員の採用基準はさまざまです。

身長・体重などに基準が設けられる場合や、警察官や自衛官としての実務経験が応募条件となる場合もあります。柔剣道など武道は、多くの警備会社が採用にあたって参考要件としています。

採用基準の優先度には警備会社や案件によって違いがあるため、身辺警備員としての就業を考える際には、応募前に問い合わせるなどして、よく確認することが大切です。

身辺警備員として働くときの注意点

難易度が高い業務を完遂したあとには大きな達成感があるものの、身辺警備は自分自身にも身の危険がともなう業務であることを忘れてはなりません。

要人警護からストーカー被害者の安全確保まで、身辺警備の依頼内容はさまざまですが、警備対象者に危害を加える個人や団体の存在を前提とした業務であることに変わりはありません。警備中は常に危険が潜んでいると考え、高い集中力を維持する必要があります。

また身辺警備では、企業の機密情報や個人の秘密に触れる機会が多々あります。守秘義務への高い意識が求められることにも、留意しておきましょう。

まとめ

身辺警備は、人の身体や命を守る重要な業務です。警備会社では、著名人から一般人まで幅広い警備対象者の身辺警備を行ないます。

身辺警備員に向いている人は、強い意志を持って職責を果たせる人や、危険を察知する能力に優れ臨機応変な対応ができる人などです。

未経験者でも身辺警備員にはなれますが、警察官経験者、武道経験者などは優遇されます。採用条件は警備会社や案件によって異なるため、応募前に十分確認しておきましょう。

警備・防犯・セキュリティのSPD株式会社